Pyramix Report:Pyramix MassCore DSD 24tr Live Recording!

11.2MHz DSDでのMultitrack Recording第二弾!スタジオから飛び出して、ライヴハウスでの24tr Recordingにチャレンジ!

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Miyaji Professional Divisionでは、さらなるトラック数の実現と安定性を兼ね備えたPyramix MassCore256システムが稼働する専用PCおよび、24 IN/OUTのDSD対応AD/DAを実装したHORUSを用意し、様々な活躍を展開する黒沢氏をメインとしたプロジェクトに、商業ベースでのレコーディング・セッションにいかに溶け込ませることが出来るのか???東京町田市のDUTCH MAMA STUDIO様のご協力も頂きながら、テスト・レコーディングを行いましたが、今回はLiquid Room様にて行われた「Predawn」様のコンサートをDSD 11.2MHz 24trにてライヴ・レコーディングを行う!というテストも行いました! 

Pyramix MassCoreシステムを駆使した、DSD 24tr Test Recordingを決行!Part.1 >>

Pyramix MassCoreシステムを駆使した、DSD 24tr Test Recordingを決行!Part.2 >>

コンサートの模様、当日のレポート等は別の記事にてご紹介させて頂いておりますので、ここでは当日のおさらいとあわせて、ライヴ・レコーディングにPyramixを使用する意味、導入のコスト等を中心にお伝えしていきたいと思います。

MERGING Pyramix 9 LIVE Recording Report!! 〜Predawn ワンマンライブ@恵比寿LIQUIDROOM〜 >> 

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ここまで、Pyramixを様々な角度でご紹介してきましたが、そのほとんどがDSDプロジェクトに関することでしたね。

もちろん、11.2MHzに対応したことによる最高峰のサウンドをお伝えしたい、という事が優先された結果ではあるのですが、Pyramixは384kHzまでのPCMに対応したDigital Audio Workstationでもあるのです。(オプションの組合わせによります)
これによって、VSTを活用したマルチトラック・レコーディング/ミキシングはもちろんのこと、CD/SuperAudio CDマスタリング、VCubeを併用したポスト・プロダクション等にも大活躍しており、放送局等では逆にDSDやDXDを使用したことがない、という場合も多いかもしれません。

そういった様々なフォーマットに対応している、というのもPyramixの美点でありますし、とりあえずDSD256の最高音質で記録しておいて、それを素材として後からどうするか考える、という柔軟な使い方をすることが出来るのです。
まさに今回のプロジェクトでは、そういったアプローチが取られていて、そのためには、まず出来うる限りのトラック数でDSD256のレコーディングを行おう、という趣旨があったのです。

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いくら素晴らしいライヴ・パフォーマンスを行うアーティストでも、現代では、ある程度の編集を行うのは当然のこととも言えますし、商品としてリリースするものとなればそれは尚更のことでしょう。
そういった事情もあり、今回の場合、レコーディング自体はDSDで行いましたが、ミックスは最終的にDXDプロジェクトで行われることとなったのです。
こちらの詳細に関しては、またの機会にご紹介出来ることもあると思いますので、ご期待下さい!

さて、当日のことに話を戻しますと、Pro Tools等でライヴ・レコーディングを行う際にも重要になることですが、メインのシステムとは別にバックアップのシステムを構築し、別々のシステムで同時レコーディングを行うことが必要になります。
全く同じシステムを2セット用意することが可能であれば、二重でDSD256のデータを残せるのですが、コスト的にあまり現実的ではないということと、同じシステムの場合、同じ様なトラブルが起こるリスクもあることから、全く違うシステムが使われることも多いでしょう。

簡単になりますが、以下の図が当日のセッティング内容となります。

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基本的には、ハウス・コンソールであるMIDASのダイレクトアウトを22ch分頂き、HORUSのADライン入力へ接続。
HORUSのDAアウトからAntelope Orion32へ24ch分接続し、バックアップとしてPreSonus Studio Oneにて24bit/192kHzレコーデッィングを行う、というシンプルなワークフローとなっています。

ここでなぜHORUSへの入力が22ch分なのか???疑問に感じた方もいらっしゃるでしょう。
図には書いていないのですが、実はHORUSの残り2ch分にはアンビエント用として立てた、DPAのマイクを直接入力しているのです。

そう!HORUSのADカードは、ライン入力/ダイレクトアウトだけでなく、ファンタム電源はもちろんのこと、フェイズ/ゲイン調整までコントロール可能なマイクプリアンプが実装されているのです!
つまり、今回使用した24AD/DA仕様のHORUSは、24ch分の高品位マイクプリアンプを搭載したAD/DA/オーディオ・インターフェイスという事が出来、意外にもそのコストパフォーマンスの高さが窺い知れる、と言えるのではないでしょうか?

しかも、RavennaインターフェイスとしてMERGING MT Discovery上で認識されると、ブラウザベースで全ての操作/設定も可能となっており、ある意味、非常に使い勝手のいいインターフェイスだという事も出来ますね!

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しかも、HD I/Oではライン入力のゲインは基本変えられませんが、HORUSの場合はブラウザからラインレベルのコントロールまで出来てしまうのです!
実際、今回もリハーサルの際にゲインレベルを最適に設定していたのですが、本番時にアーティストの方に力が入ってしまったことによってレベルオーバーしてしまい、曲の合間で2dBレベルを下げる、という事も行っています。
録り音には、まったく問題なかったのですが・・・
実はDSDとPCMの大きな違いはここにもあり、PCMの場合は0dBを超えるとクリップ=ノイズとなってしまいますが、DSDの場合は理論値では+6dBまでクリップしないのです!
マージンを考えて+3dBまで許容範囲と考える場合が多いようですが、こういったところからもDSDがアナログに近いと言われるのかもしれませんね。

また、おまけのように思われがちなADカードのマイクプリアンプも、透明感のある素晴らしくナチュラルなサウンドを持っており、専用のマイクプリアンプがなくてもスタジオでのレコーディングに対応出来てしまいそうです!
今回のライヴレコーディングでは、コンソールからのダイレクトアウトを頂く形で行いましたが、状況が許すのであればレコーディング用のマイクを別に立てて、より最適なサウンドで収録することも可能ですね!

さらに驚くべきことに、HORUS & Pyramix MassCoreの組合わせであれば、HORUS 1台で最大176 I/Oを同時に実現することが出来るのです!
もちろん、DSDレコーディングの場合は、その特殊性から最大48trまでという制限が存在するのですが(Pyramix 10からは最大64trまで可能になる予定です)PCMの場合だと、オプション・カードを含めてHORUSに搭載されるオーディオI/Oのほとんど全てを同時入出力可能!ということになりますね!

これが何を意味するかと言うと…

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上の図は、PCM 24bit/48kHzでのレコーディングを前提に、Pyramix MassCoreシステムの場合/Pro Tools HDXシステムの場合とで、同じくらいの規模/チャンネルでシステムを組んだ比較になります。

Pro ToolsのI/OであるHD Interfaceは、HD MADIを除くと搭載されているオーディオI/Oの内の16 I/Oのみ有効という制限があり、HDXカードに搭載されているDigiLinkポートも、1ポートあたり32 I/Oまでという制限が存在するのです。
つまり、大規模なチャンネルが必要なシステムを構築する場合、Pro Tools HDXでは多数のI/OやHDXカードが必要になるのに対し、Pyramix MassCoreの場合は1台のHORUSで、マイクプリアンプを含めた多チャンネルのシステムが構築可能だ、ということなのです。(AD/DAカードはオプションですが、24 AES/EBU I/O、64 MADI I/Oが標準装備です)

Pyramix MassCoreシステムの特徴として、専用のDSPを必要としないことからPCの構成もシンプルになりますし、Ethernetケーブル1本でセッティングが完了する手軽さもあります。
それでいて、システム・レイテンシー/ADAレイテンシーもHDXシステムと同等だという美点もあり、また、HORUS本体にWord Clockの他、GenLock、Timecode、MTC端子(WC以外は15pinブレイクアウト・ケーブル使用)も搭載されていることから、Sync HDのようなシンクロナイザーも必要なくなります。
唯一、Pro Toolsに必要なくてPyramixに必要なものとしては、DSDをマルチトラックでレコーディングする際には、最低レコーディング・トラック数分のチャンネルを持つミキサーが必要だ、ということが挙げられます。

それを考慮に入れても、Pyramix MassCoreシステムが意外なほどリーズナブルだ、という事がお分かりでしょうか?
さらにPro Toolsでは実現不可能な、DSD 11.2MHzレコーディング、DXDミキシングまで可能なのですから、ライヴ・レコーディングやスタジオ・レコーディングにフル活用するなど、使い方によっては充分投資を回収することも出来るでしょう。
もちろん、多くのトラック数を必要としない、コンパクトなシステムでよいという事であれば、ここまで価格は拮抗しないかもしれません。
しかし、その場合でもPyramixシステムでは、Pyramix Native + HAPIという、高音質はそのまま、さらにリーズナブルな選択肢もあります!

いかがでしょうか?
意外にも高価だと思われているPyramixシステムが、それほど価格的に敷居の高いものではない、という事がお分かりかと思います。

柔軟で自由度の大きいPyramixでのシステム構築は、なかなかわかりにくい部分もあるかもしれませんが、Miyaji Professional Divisionではお客様のニーズに応じて、最適なシステムをご提案させて頂きますので、お電話:03-3255-3332/問合せフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい!

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(文:Miyaji Professional Division:梓澤) 

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宮地プロフェッショナル事業部
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