Report:Pyramix MassCore System 16tr Recording at USEN WHITE STUDIO!

素晴らしいライヴルームとSSL SL9000Jの完備したコントロールルームを備えたUSEN WHITE STUDIO様で、DSD256 16trでの雅楽レコーディング・セッションを決行! 
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Miyaji Professional Divisionでは、これまで様々な現場でPyramix MassCoreシステムの実力を検証してきましたが、今回は初めて東京を飛び出したレコーディング・セッションを決行しました!
お話を頂いたのは、USEN大阪ビル内にある、WHITE STUDIO様です。
WHITE STUDIO様では、ピアノ用をはじめとした3つのブースと、リズム録りの可能なメインルーム、メンテナンスの行き届いたSSL SL9000J / Pro Tools HDX / OTARI Raderを中心にしたコントロールルームが完備されており、大阪でも随一の設備を誇っているレコーディング・スタジオです。

もともとWHITE STUDIO様ではMykerinos PCIeカードを搭載したPyramixシステムを用意されており、その潜在能力は熟知されておりましたが、Pyramix 9 MassCore + HORUSの組合わせによるDSD256 11.2896MHzでのレコーディングは未体験だったとのこと。
竜笛奏者でありコンポーザーでもある、出口煌玲氏のオリジナル作品をレコーディングするにあたり、是非DSD256でのレコーディングを行なってみたいというご要望を頂き、今回のレコーディング・セッションが実現するにいたったということです。

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何度も以前の記事でご紹介させて頂いておりますが、DSDプロジェクトの場合、PC内でのミキシングはもとより、エフェクト・プロセッシング/クロスフェード、オートメーションを含めたDAWで一般的となっているワークフローは使えません。
マルチトラックでレコーディングされたDSDプロジェクトをミキシングするには、DXDプロジェクトに変換するか、アナログコンソールを使用したアナログミックスを行なう他ありませんし、もちろんキューミックスを作るにもアナログコンソールが必要となってきます。

その点、SL9000Jを中心に、豊富なアウトボードを完備されているWHITE STUDIO様では、Pyramix DSDの実力を最大限引き出すことが出来る環境が整っており、今回のレコーディング・セッションでもDXD変換をすることなく、最終的に11.2896MHzのDSDIFFファイルでマスターを作成することが可能となったのです!
個人的にも、究極のアナログコンソールであると考えるSL9000JでのDSDプロジェクトは、非常に興味を持っていましたが、DSDとの相性が抜群であると思えましたね!

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さて、いよいよレコーディング開始!ですが、今回はコンソールの左手にPyramix専用のオペレーション・スペースを設置して頂きました。
デスクの横にPyramix PCとHORUSがちらっと写っていますが、これだけの省スペースでセッティングもあっという間に完了してしまうのもPyramixの美点という事が出来るでしょう。

また非常に興味深かったこととして、WHITE STUDIO様が用意された専用PCキーボードの存在がありました。
よく見ると、キートップにステッカーのようなものが貼ってあるように思えますが、実は専用に印刷されたキートップをご準備されており、なんと!Pyramixのマクロ機能を使用して、常用されているSteinberg WaveLabとほとんど同じショートカットが使えるようになっているのです!

さすがに複数台のPyramixシステムを使用されている現場ならではと感心してしまいましたが、我々もこういった細かいところでPyramixの使い勝手を向上させて行く提案が必要だな、と痛感させられました…

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当日の編成は竜笛はもちろんのこと、越前琵琶、琴、尺八、日本胡弓などが使用されており、何度かのリハーサルを経てから一発録りでベーシック・トラックのレコーディングが行なわれました。
使用されたトラックは8trと、決して多くはありませんでしたが、熟練のアーティスト集団らしく空気感と奥行感を持たせる演奏が印象的でした!

ベーシック・トラックのレコーディングが完了してからは、各楽器のパンチイン修正作業に入ります。
もちろん、Pyramix DSDプロジェクトでもパンチインは可能なのですが、PCMプロジェクトのように正確なタイミングでパンチインすることは事実上不可能となっています。

これはクロスフェードを掛けることが出来ないためであり、DSDの場合はRECの頭にノイズが入ってしまう場合があるのです。
これを回避するためには、やや長めのタイミングでパンチイン/アウトを行い、つなぎ目でノイズが入らない(目立たない)ポイントを探してパンチインしたファイルを伸び縮みさせて行くということになります。
アーティストにとっては、この部分がストレスになる可能性もあるかもしれませんが、出来る限り修正せずに演奏する、という緊張感がパフォーマンスにもいい影響を与えるのではないかとも思えますね。

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しかし、そういったワークフローの不便さを差し引いても、DSD256のサウンドが魅力だということも事実です。
それはレコーディング作業中、アーティストにとっては素晴らしいモニタリングを提供し、エンジニアにとっては選択したマイク/マイクプリアンプの違いがよく分かるという利点も生み出します。

今回もVINTECH AUDIO 273、Rupert NEVE Design 5024、TUBE-TECH MP1A、FOCUSRITE RED1などなど、マイクとの相性を含めて吟味されたセレクトがなされており、狙った通りのサウンドがキャプチャされていると言えるのではないでしょうか。

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PyramixでのDSDレコーディングとともに、Pro Tools HDXでも192kHz/32bit Floatで同時レコーディングされていたセッションは順調に進んで行きます。
WHITE STUDIOのプロジェクトを運営する、株式会社スターラップコーポレーションの上野氏、山根氏の的確なディレクションとオペレートには、さすがと感じさせるものがありましたが、出口氏をはじめとするアーティストの方々の演奏力と相まって、スピーディに作業完了!
ミキシング作業になだれ込んで行きます!

既にお話させて頂いた通り、今回は最終的な納品形態が11.2896MHzのDSDIFFファイルとなるため、HORUSからアナログ・パラアウトしたシグナルをSL9000Jにインプット。
ハードウェアのダイナミクスやリバーブを使用してまとめた後、HORUSのアナログ・インプットに入力された2ミックスをレコーディング、という流れになります。

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これが’60年代や’70年代のワークフローであれば、アナログコンソールとアウトボードを使ったリアルタイムミックス、ということになるのでしょうが、機材に盛り込まれている機能を使わない手はありませんよね。
この時は、Pyramixプロジェクトの空いているトラックにSMPTE信号を録音した上で出力、SL9000Jのオートメーションを使用してミックスが行なわれました。
といっても、曲のダイナミクスを活かすフェーダー・オートメーションを中心にしており、プロセッシングは最小限でまとめられていたようですね。

実は我々がHORUS用のSyncケーブルを用意していなかったため、このように面倒なルーティングになってしまったのですが、HORUSに搭載されているDsub 15pin端子よりMTCは当然のことながら、SMPTE / 9pin Remoteの入出力まで出来ますので、しっかりと準備しておけば意外にも外部機器との連携が難しくないとも言えるでしょう。

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ここでご紹介出来ないのが残念なのですが、そうやって出来上がったファイナルミックスは、奥行や高さを含めた空間が非常によく再現された、生々しいサウンドとなっており、出口氏にも大絶賛を頂きました!

このような機会を与えて頂いた出口氏をはじめ、株式会社スターラップコーポレーションの上野氏、山根氏、岡田氏にはこの場をお借りして、改めまして御礼させて頂きます。

Miyaji Professional Divisionでは、Pyramix MassCoreシステムのテストドライヴはもちろん、システム構築のお手伝いまで幅広く対応させて頂いております。

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(文:Miyaji Professional Division:梓澤)

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