Review:DXD & DSD256 Technical Spec!Audio Precisionで計測したMERGING HORUSの実力をご紹介!

デジタル・オーディオのフォーマットとして数値的には理解出来ると言えるDXD & DSDですが、実際の周波数特性はどうなのか?その実際をMERGINGのホワイトペーパーよりご紹介いたします!

 

Miyaji Professional Divisionとして、Pyramix + HORUSを使用した数々のDSD256レコーディング・プロジェクトを行い、そのサウンド・クオリティは私も充分に認識していますが、実際に目に見える数値としてPCMやDSD64と比較した場合、どの程度の差異があるのでしょうか?
その差異がサウンドにもたらす影響とは???


MERGING社からその回答となりうるホワイトペーパーを見つけることが出来ましたので、今回はDXD/DSDのフォーマットおさらいとあわせてご紹介してみましょう!

 

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上記でもリンクさせていただいた弊社サイトにも、DSD/DXDとはなにか?という記事を掲載させていただいていますが、DSDとはDirect Stream Digitalの略称であり、その名の通り、1bitストリームのハイサンプリング・デジタル・シグナルということが出来るでしょう。

 

具体的には、CDのフォーマットである44.1kHzの64倍オーバーサンプリング、2.8224MHzでサンプリングされた素のデジタルデータがDSD64(SACD)、そのデータを元にデジタルフィルターを通してから16bitなどのダイナミックレンジにデータを積み上げるのがPCM(CD)ということになります。
PCMの場合(DSDもですが)、さらにそのデータ特性から有効周波数帯域外に急激な量子化ノイズが発生するため、これを避けるためのデジタルフィルターが使用され、制作の現場で使用されるADコンバーターなどでは出来る限り量子化ノイズを可聴範囲外へ移動させるノイズ・シェイピングが使用されたりしていますが、アナログ・シグナルの波形をデジタルデータに置き換えて積み上げているPCMでは、そのデータ自体でアナログの波形を形成することが出来、レコーディングデータの編集やプロセッシングに適しているという利点があります。

 

ではDSDをデータで表示するとどのようなものになるのでしょうか?
下の図は、DSDのデータ概念を図式化したものとなります。

 

 

よくDSDのデータは濃淡で表すことが出来る、という記述を見かけますが、この図をご覧いただければなんとなくご理解いただけるかもしれません。
超高速でサンプリングが行われるDSDデータですから、上図は非常に大きく拡大されたものだということがお分かりでしょうが、これを通常に見ると「1」が連続していて密度が大きくなる部分が「濃く」、「0」が連続していて密度が小さくなる部分が「薄く」なるように見えるのです。

 

実際には、「1」がON、「0」がOFFという形で考えていくと、「1」の場合は直前のデータよりも「大きく」、「0」の場合は直前のデータよりも「小さく」表現され、「1」が続いている場合は直前のデータよりも「大きい」という状態が連続する形になります。(「0」が続く場合は逆です)
DSDデータは、このようにしてサウンドを表現するようになっている、という訳ですね。

 

ではDXD(Digital eXtreme Difinition)とは?というと、こちらは24bit/352.8kHzのPCMデータのことを指しています。
1bitデータであるDSDの場合、ステレオファイルですら「0」と「0」、「1」と「1」が重なってしまうと音が消えてしまうため、LRディスクリートで出力するしかないのですが、これでは編集もプロセッシングも困難になってしまいます。
そこで、PCMの元データがDSDである(乱暴な言い方ですが)ことを利用し、DSDデータをオンザフライでPCMに変換して編集/プロセッシングするのがDXDというフォーマットなのです。

 

しかしながらDXDは単なるPCMではなく、DSDのサウンドを出来る限り保持したままにするため、通常のDAWで使用される192kHzなどのサンプリングレートと比較して、さらに約2倍のレートを使用しているのです。(CDフォーマットである44.1kHzの8倍、352.8kHzとなります)

 

 

上の図をご覧ください。
これはDXDフォーマット時のHORUSのADに、0dBu FETシグナルを入力しDAしたものを、Audio Precisionにて計測したものとなります。

 

驚くべきことに、100kHzを超える周波数帯域まで-100dBu以上という、ほぼ完全にフラットとも言っても良いノイズフロアを実現しているのがお分かりかと思います。
理論上、DXDはサンプリング周波数である352.8kHzの約半分、176.4kHzまでの周波数特性を持つはずですが、アナログ回路の限界もあって通常はここまでの特性は出せないと思われます。
しかし、HORUS上においては110kHz以上は計測されていないにしろ、アナログ・オーディオとしても究極と言ってもいい特性を持っているのがお分かりでしょう!

 

では、標準的にPCMベースのDAWで使用されている最高サンプリングレート(に近い)である、176.4kHzの場合はどうでしょう?

 

 

上の図はDXDと同じ条件で、フォーマットを24bit/176.4kHzにした場合のものになりますが、50kHz付近まではDXDと似たような特性を示しているものの、そこから急激にノイズフロアが上がっているのがお分かりでしょう。

 

これはノイズシェイピング処理が影響しているのが原因ですが、その部分での特性差は実に25dBu以上にも及んでいます。
いかにDXDフォーマットが優秀な特性を持っているかが分かりますが、20Hz近辺での特性にも20dBu近くにもおよぶ、大きな差があるのが分かりますね。

 

もちろん、周波数特性が優秀だからいいのか??というだけの問題ではないと思いますが、PCMデジタル・オーディオの特性をよりフラットにしていくためには、サンプリングレートを上げていくしかないということが見えてきます。

 

それを踏まえた上で、DSDの場合はどうでしょう?

 

 

上の図は同様の条件で、DSD256 = 11.2896MHzで計測したものになります。
DSDの場合もPCM同様、量子化ノイズが発生してしまうのは当然なのですが、非常にスムースなノイズシェイピングが行われているのが分かります。

 

しかしながら、DXDと比較すると周波数特性的には劣っていると言わざるを得ないグラフとも言えますね。
これをご覧いただければ、例えばDSD256でマルチトラック・レコーディングしたものを、DXDとして編集/プロセッシングしても問題がない、ということも言えるのかもしれません。

 

ならば最初からDXDもしくは384kHzでレコーディング/編集/プロセッシングしたほうが面倒がないのでは???

 

先にも触れましたが、周波数特性のみで決定出来ないのが音楽/サウンドの奥深さであり、面白さなのかもしれません。

 

私の個人的な意見としては、DXD / DSD256で比較した場合、DXDの方がなじみやすいサウンド、言い換えればCDなどで聴きなれたサウンドの解像感が上がったという風に感じます。
ちょうどSD画像のTVがHDになったり、4Kになったりしたような感覚でしょうか。
それに対するDSD256は、もっと自然界に近いというか、より生々しくその場に存在しているかのような感覚を覚えさせてくれます。
なんちゃってHDRではなく、人間の目にもより近づいた本当の意味でのHDR(High Dynamic Range)のような感覚、と言えば良いのでしょうか。

 

 

最後に見ていただく図は、SACDのフォーマット、DSD64 = 2.8224MHzのものとなります。
100kHzの特性を持つ、と当時謳われたSACDですが、これで見ると25kHz付近から強力なノイズシェイピングにより、急激にノイズフロアが上昇しているのが分かります。

 

こういった特性はデジタル・オーディオの特性とも言えるものですが、傾向としてはPCMとDSDで似たような状態になっているようにも思えますね。
それが原因なのかどうかはともかく、DSD256が登場する以前から、聴きなれたPCMオーディオと比較してDSDはどこか「異様」なサウンドに聴こえたものです。

 

これも私の個人的な意見ですが、DSD256になってサンプリングレートがSACDの4倍となったことにより、そのとき感じた「異様さ」が「生々しさ」に変化したように感じるのです。
最終的には、使用される方の判断になってしまうと思いますが、心情的にはどんなにミックスやプロセッシングが出来なかろうが、DSDのままで最終形まで持っていきたい、と考える方がいても不思議ではないと思います。

 

その違いや判断は、皆さん自身の耳で決定していただくほかないようです。
ご要望がございましたら、デモ機のご用意がございますので、お気軽にご相談ください!

 

Miyaji Professional Divisionでは、Pyramixシステムはもちろん、HDXともダイレクトコネクトが可能になったHORUS / Hapi、さらにはPro Tools HDXに関しても様々なご提案を行っています。
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(文:Miyaji Professional Division:梓澤)

 

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