Report:MERGING Technologiesセールス&マーケティング・マネージャーChris Hollebone氏インタヴュー!

MERGINGセールス&マーケティング・マネージャーChris Hollebone氏が来日!普段お話を伺う機会の少ないPyramixを中心に核心に迫ります!

 

私たちが視察/レポートに行く機会が多いAES Show / NAB Showなどでは、北米のディストリビューターが展示していることが多く、なかなか本社の生の声を聴く機会が少ないMERGING Technologies社ですが、International Audio ShowへのNADAC出展にあわせ、セールス&マーケティング・マネージャーであるChris Hollebone氏が来日!
Miyaji Professional Divisionでは、この機会に単独インタヴューを決行!
インタビューを行わせていただいたChris氏は、スイスの本社ではなくMERGING UK支社を中心に活動されており、個人的にもお伺いしてみたかった質問にも丁寧で誠実にお応えいただける、まさにイギリス紳士な方でしたよ。

 

そんなChris氏に、現在のユーロッパにおけるPyramixの立ち位置や、MERGINGの今後の展開を含めて、Pyramixを中心としたお話を伺うことが出来ました。

 

 

日本でのPyramixといえばマスタリング用途、もしくは放送局などにVCubeとともにポスト・プロダクションで使用されるのが中心、という認識が多く、実際問題として業界標準となったPro Toolsの普及に比べるとメジャーな存在とは言えないかもしれません。
しかし、いわゆるハイレゾ音源を配信するサイトが多く出現し、ハイサンプルレートやDSDが注目されるようになったことも関係して、日本でもにわかにPyramixの注目度が上がっているように思えます。

 

そんな日本での現状を踏まえ、MERGINGのお膝元であるヨーロッパや、Pro Toolsが圧倒的シェアを持っていると思われるアメリカの現状、そしてDSD / DXDの使われ方についてお聴きしてみました。
Chris氏インタヴューPart 1をまずはご覧ください!



 

ヨーロッパ/アメリカを問わず、クラシックやJAZZなどの生楽器を使用する音楽にPyramixが使用されている、というのは予測が出来たことでしたが、特にイギリスはともかくとしたヨーロッパ全域では、ポピュラー・ミュージック以外にも様々な音楽の市場があり、そういった場所でPyramixのサウンドクオリティが認知されている、という印象を受けました。

 

その場の空気感をそのまま捉えることの出来るPyramixのサウンドクオリティは、まさにそういった用途に合致しているとも思えますが、HORUS / Hapi + PT64 Cardの組合せでPro Toolsを使用する、という用途もかなり増えてきているようです。

 

Report : MERGING HORUS + PT64 Option Card!Pro Tools HDXとのダイレクト接続の実際は? >>
 

以前の記事でもご紹介いたしましたが、HORUSをHDXにてDigiLink接続可能になったことは、MERGING社が考える以上に大きなことだと思っていましたが、ここでHORUSのクオリティを感じ取った方は、Pro Toolsで実現不可能な384kHzやDSD256の世界も見てみたくなるのではないでしょうか?

 

もちろん、インタヴュー中でChris氏もお話されているように、Pyramixを使用される方によってDSD / DXDの使い方は様々なようですが、それはDSDマルチトラック・プロジェクトにおいてPyramix内でのミキシング/プロセッシングが出来ない、ということも影響があるように思えます。

 

 

そんな中、MERGINGにおいてそういったミキシング・ソリューション(例えばHORUSにつながるようなサミングミキサーとか・・・)を提供する予定は?という質問に、Pyramix内でDSDのミックスを完結出来るように研究を進めている、というお話を伺うことが出来たのは大きな収穫だと思えましたよ!
DSD自体は1bitデータという特性上、0と1が重なり合うと音が消えてしまうのですが、これを克服するようなブレイクスルーが可能ならば、制作環境が大きく変わっていくかもしれません。

 

Review : DXD & DSD256 Technical Spec!Audio Precisionで計測したMERGING HORUSの実力をご紹介! >>
 

こういったDSDでの柔軟性に欠けたワークフローを補う意味もあってDXDが登場した、とも言えるのですが、インタヴュー中でも質問させていただいているように、DXDの良さを分かっていながらも、DSD256で最終形まで持っていきたい、という方がいらっしゃるのも事実なのです。

 

それは以前の記事でもお話させていただいたように、4KとHDRの違いのようなもので、感覚的なものなのかもしれませんが、よりよい形でリスナーにサウンドを届けたいと考えるアーティストやエンジニアにとっては、非常に重要なことだと思えます。

 

それに関連した質問から、今後のPyramixの進んでいく方向性など、さらに突っ込んだお話をさせていただいたのがPart 2となります!
早速ご覧ください!



 

私が個人的な(笑)という前置きをして質問させていただいたのは、せめてPyramix内でのオートメーションに(アナログ的に)HORUSが追随してくれれば、あとはアナログミキサーで混ぜるだけ、というワークフローが可能になると思ったからなのです。
この部分がクリアになるだけで、Pro Toolsのワークフローに慣れ親しんだ方でも、Pyramixへ移行するハードルがかなり低くなりますからね!

 

この辺りの課題はChris氏も充分理解されているようで、コントロール・プロトコルの話までご説明いただけました。

 

先ほどのDSDミックスの際にもChris氏がお話されていましたが、こういった部分は私が提案しなくとも(笑)リソースと費用の問題次第で既に考えられていた、ということが伺われます。
もしかしたら他からもリクエストなどがあったのかもしれませんが、様々なユーザー・フィードバックを元に慎重に開発を進めているのが分かりますね!

 

 

この記事の最初にも少し書きましたが、今後Pyramixをメジャーな存在にしていく戦略に関する質問にも、様々な追い風がある中、目の前のことにとらわれるのではなく、長期的な観点で先を見据えた開発と戦略を行っていく姿勢が分かります。

 

先日行われた2016 AES Los Angelesでも、大きな発表を行うということではなく、Ravenna / AES67というAudio-Over-IPをじっくりと育てていこう、そのためにユーザー・フィードバックを重視して実現させていこうという考えに基づいた展示を行う、ということだったのでしょう。
実際に、GENELECにもRavenna対応モニターが登場し、DANTEとの相互乗り入れも進みつつある、ということで非常に明るい未来が広がっているようにも思えますね!

 

 

続いてお伺いした、開発中の新機能などに関しては、どうもVR対応の方へも手を広げようと考えているように思えました。

 

今年の2016 NAB Las Vegasでは、コンシューマーレベルでのVRシステム展示(エンドユーザー用の端末)こそありましたが、制作環境に適用出来るような出展はありませんでした。
しかし、ヨーロッパで注目されるテクノロジーは、アメリカとは一風変わった部分もあるようで、どちらかというとVRを積極的にシステムに組込もうという流れがあるようです。
ちょうどアメリカで4K一色だった時期に、ヨーロッパではHDR一色だったような感じですかね(笑)

 

もともと3D Pannerという画期的なサラウンド・コントロール・アーキテクチャを実装しているPyramixですから、3DサウンドやVRに対しても親和性が高い、ということが出来るでしょう。
現時点でPyramixにVR対応の機能が追加されるような予定はないようですが、2016 IBCで発表されたように、プラグインとして協力関係を築くことは既に行われていました。
それがフランスに拠点を置く研究機関であるb-comが開発した、b<>comというプラグインのようです。

 

IBC Press Release >>
 

いずれにしても、バージョンアップを繰り返しつつ、より洗練されたインターフェイスと画期的な機能をが追加されてきているPyramixですから、今後の展開が楽しみですね!

 

 

最後にいただいたメッセージでは、Chris氏が今回来日された目的の一つ、International Audio Showに出展されるNADACのことにも触れていましたが、コンシューマー・オーディオ(超高級ですが・・・)向けでもDSD256サウンドを普及させたい、というMERGING社の狙いというか、想いが感じられるような気がしました。

 

こういう部分からも、MERGING社の広い視野に立ったものの見方が分かりますが、せっかくDSD256マスターを制作しても、そのまま聴く手だてがないというのでは、おもしろくないですもんね(笑)

 

今回のインタヴューでは、今まで想像の域を出なかったMERGING社という存在が少し分かったように思いますし、DSDの扱いに関してポジティヴなお話も聴くことが出来、非常に有意義なものになったと感じています。
もともとポテンシャルの高いシステムであるPyramixですから、さらなる飛躍で名実共に最強のDAWとなる日も遠くない、と言えるのではないでしょうか。

 

インタヴューにお応えいただいたChris氏、セッティングをしていただいたDSP Japan柳瀬氏にも、この場お借りして御礼させていただきます。

 

Miyaji Professional Divisionでは、Pyramixシステムはもとより、PT64 Cardを使用したHDXとの連携にいたるまで、様々なご相談を受けて付けております。
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(文:Miyaji Professional Division:梓澤)

 

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