昨年のNAB 2015にて発表されたAvidのNew CommerであるビデオI/O、Artist DNxIOが昨年末ついにリリースとなりました!
前回の記事では、UHD/30PビデオをMedia ComposerにてDNxHR 3840 x 2160 LBキャプチャを行ったところまでご紹介いたしました。
Review:4K Video Satellite用UHD/30Pビデオ素材を、Avid Artist | DNxIOでキャプチャ検証!No.2 >>
キャプチャしたクリップのプレイバックもなんなく行え、軽快な4Kエディット環境が実現出来るのではないか???というところもご紹介いたしましたね。
そこで、第三回目となる今回は、DNxIOでキャプチャしたDNxHR LB素材を使用して、5分程度のビデオを編集する際のパフォーマンスを検証してみます。
DNxIOのFPGAは、編集時のDNxHRデコードには関係ない(おそらく)と思われますので、今回はキャプチャにも使用したMacBook Pro 2.6GHz QuadCore i7マシン単独で作業を行ってみました。
Video tips:待望のビデオ・インターフェイスAvid Artist | DNxIOを検証! >>
Avid Artist | DNxIO FAQ >>
Avid Artist | DNxIO 仕様 >>
シーケンスの構成としてはシンプルなものを考えているのですが、HDシーケンスと比較して、どの程度まで違和感なく作業が可能なのか???興味津々ですね!
まずはざっとビデオクリップを配置した後、サウンドエフェクト、BGMも適当な位置に配置し、合計ビデオトラック x 2 / オーディオトラック x 10のシーケンスを作成してみました。
上の図のような感じですね。
IN/OUTポイントを探るためにJKLキーを使用してのプレイバックも多用してみましたが、ほとんどHDプロジェクトと変わらないといってもいい軽快な動作でした。
フェードイン/アウト・ディゾルブもレンダーすることなくリアルタイムでプレイバック可能でしたし、パフォーマンスアップのためにDNxHRトランスコードする必要もないですから、この点ではMCネイティヴ・コーデックで編集出来るメリットを発揮しているといえるかもしれません。
それでは、CPU負荷の掛かりそうなエフェクト処理をクリップに適用する場合はどうでしょうか?
レンダリングの速度も含めて検証してみようと思います。
どのエフェクトで検証しようかと思案してみましたが、シーケンス内のBGMにあわせてTimewarpを適用してみましょう。
ビン内のエフェクトタブをクリックし、Timewarp > Timewarpを探します。
すでに何度もご紹介していますが、Media Composerではこういったタイムワープ系のものを含め、全てクリップにエフェクトをかけるという概念になっています。
FCP7の場合であれば、適用したいクリップを選択してキーフレーム操作をする、という形になりますが、ある意味MCの概念は分かりやすいかもしれませんね。
具体的には上の図のように、エフェクトを適用したいクリップへ、エフェクトビンの対象エフェクトをドラッグ&ドロップするだけです。
クリップの上にTimewarpのアイコンが表示されているのがお分かりでしょうか?
当然、このままでは何も起こりませんから(笑)どのようなタイムワープを行うか、指定してあげる必要がありますね。
タイムライン・ウィンドウ左上にあるボタンをクリックして、エフェクト・モードに切り替えます。
するとTimewarpエフェクトの設定を行う、モーションエフェクトエディタ画面が表示されるようになります。
この例では、すでにクリップにエフェクトを適用した結果を表示した状態ですね。
イメージとしては、旅客機が静止からテイクオフまで通常50〜60秒程度掛かっているシーンを、BGMのクライマックスにあわせて10秒ほどの間に完了させる!という感じです。
まあフレーム補完が必須になってくるマイナス側へのタイムワープに比較すれば、画質の劣化は抑えられるとは言っても、600%を超えるような再生はあまり行いませんよね(笑)
実際にどのように処理しているのか、エディタ画面をもう少し詳しく見ていくことにしましょう。
エフェクト名称「Timewarp」と記載されている下に、2つのアイコンが見えると思いますが、このうち左をクリックするとスピードを管理するエディタ画面が、右をクリックすると位置を管理するエディタ画面が表示されるようになります。
位置といわれても???という感じですが、要は時間軸の操作に伴ってクリップの全体が伸び縮みするから、実時間に伴ったクリップのどの時間軸が現在点になるのか???を確認出来るということのようです。
スピードの場合は横軸が水平であれば速度変化がない状態(100%とは限りませんが)、位置の場合は45°のリニア状態であればオリジナルの位置と同じ状態、ということになります。
どのようなイメージを狙ったか???というのは上の図を見ていただければ充分お分かりかと思いますが(笑)かなり極端なエフェクトになっていますね!
特に問題なかったのでいじってはいませんが、キーフレームを打ったポイントを中心に、ベジェ曲線でスムースに速度変化するTimewarpを作成することも可能です。
さすがにこの手のエフェクトではリアルタイム・プレイバックが出来ませんので、早速レンダリングさせてみました。
約10秒程度のTimewarpでしたが、レンダーに掛かった時間は1分半くらいでしょうか・・・
Full HDの縦横サイズ2倍、合計4倍のピクセルを持つUHDですから、思ったよりも時間がかからなかった、というのが実感でした。
ある程度シーケンスが完成した時点で、とりあえずMacBook Pro ’15のディスプレイを使用し、どの程度の画質になっているのか???確認してみましょう!
特殊 > フルスクリーン再生を選択します。
web掲載用にリサイズしていますが、上の写真がフルスクリーン・プレイバック中のスクリーンショットになります。
Retina 15インチ・ディスプレイのMacBook Proを持ってしてもドットバイドットで表示出来ない解像度を持つUHDである上、リサイズによる圧縮効果による見え方の効果もあると思いますが、より多くのピクセルを持つデジタル一眼レフ機の静止画と比較しても劣らない解像感に見えます。
これをドットバイドット表示可能な4Kモニターで早く確認したいですね!
ということで(笑)ようやく次回はDNxIO + 4Kモニターを使用したプレヴュー、Pro ToolsへのAAF書き出しなどをご紹介したいと思っております!
お楽しみに!
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(文:Miyaji Professional Division:梓澤)
- 2016.08.07 Sunday
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